富山県が世界に誇る世界遺産とユネスコ無形文化遺産富山県の『世界遺産』と『ユネスコ無形文化遺産』を巡る旅
富山県内には、ユネスコに認定された世界的な文化遺産『世界遺産』と『無形文化遺産』があるのをご存知でしょうか?
ここでは、全部で4つの世界遺産と無形文化遺産をご紹介します。
目次
『世界遺産』と『無形文化遺産』の違い
はじめに、『世界遺産』と『無形文化遺産』の違いについておさらいします。
どちらも、国際連合教育科学文化機関いわゆる「ユネスコ」の事業の一環で、どちらも世界中にある未来に残したい文化財の保護が目的です。
『世界遺産』とは、建築物や遺跡、景観、自然など有形の文化財の保護と継承を目的とするもの。
一方、『無形文化遺産』とは、お祭りや伝統芸能など無形の文化の保護を目的とするものです。
2016年、富山県から3つの「山・鉾・屋台行事」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
世界遺産・五箇山(南砺市)
まずご紹介するのは、有形の文化財である「世界遺産」。
富山県の南西部 南砺市(なんとし)にある五箇山合掌造り集落です。
岐阜県の白川郷と共に、その建築の特異性と景観や継がれてきた文化が認められ、1997年に世界遺産に登録されました。
五箇山合掌造り集落については、下記のページに詳しく書いてありますので、併せてご覧ください。
無形文化遺産 ~その1~ 高岡御車山祭(高岡市)
次にご紹介するのが「ユネスコ無形文化遺産」に登録された高岡御車山祭(たかおかみくるまやままつり)。
高岡御車山祭は、毎年5月1日に行われる加賀前田家二代当主・前田利長公を祀る高岡関野神社の春季例大祭です。
1588年、豊臣秀吉が、後陽成天皇を聚楽第(じゅらくだい)に迎え奉る際に使用した御所車を、前田利家公が拝領し、前田利長公が1609年に高岡城を築くにあたり、町民に与えられたのが始まりと伝えられています。
御車山は御所車に鉾を立てた特殊なものです。
高岡町民の心意気と財力に支えられ、格式も高く、高岡の金工、漆工、染織等の優れた工芸技術の装飾が車輪や高欄、長押(なげし)等に施された日本でも屈指の華やかな山車(やま)です。
高岡市内には、「高岡御車山会館」があり、1年中御車山祭を体験できるスポットもあります。
無形文化遺産 ~その2~ 城端曳山祭(南砺市)
富山県の「ユネスコ無形文化遺産」の2つ目は、「城端曳山祭(じょうはなひきやままつり)」。
世界遺産 五箇山と同じく、南砺市で毎年5月5日に行われている300年の伝統を誇る優雅な祭りです。
城端エリアは、「越中の小京都」とも呼ばれています。
目に飛び込む豪華絢爛な山、そして優調な庵の音、美しい城端の祭りは見る人の心を魅了します。
精緻な彫りと塗りが施され、御神像を乗せた6台の山車が町中を練り歩きます。
京都祇園の一力茶屋などを模した精巧な「庵屋台」がそれぞれの山車を先導し、その中では、笛、三味線の音色にのせて 江戸端唄の流れをくむ城端独特の「庵唄」が唄われます。
「城端曳山会館」では、曳山が展示されていたり、曳山祭りの様子を撮影したビデオが放映されており、情緒あふれる祭りの雰囲気をいつでも楽しむことができます。
無形文化遺産 ~その3~ たてもん祭り(魚津市)
最後は、港町・魚津で毎年8月の第1金・土曜日に行われる「たてもん祭り」。
たいこや笛の囃子を鳴らし、はっぴ姿の若者の力によって三角形の船形万燈を豪快に曳き回すお祭りです。
豊漁と航海安全を祈願して贄(供え物)を神前に「供え捧げたてまつる」に由来するという「たてもん」は、高さ約16mもある大柱に、90余りの提灯を三角形につるし下げ、長さ10m、総重量5トンもあるそり台に立て、魚津海岸沿いから諏訪神社境内へ曳き回されます。