大自然から学ぶ、恵みと脅威立山カルデラ砂防体験ツアーの魅力を徹底レポート | 富山県のオススメ観光・体験スポット

関係者以外は立ち入りれない秘境の地をバスで訪れる「立山カルデラ砂防体験ツアー」に実際に行ってきました!
立山カルデラ砂防博物館をはじめ、みどころスポットをご紹介します。

自然、歴史、砂防について学ぶことができるのは解説付きツアーならでは!

立山黒部アルペンルートのすぐ隣にある自然の力でつくられた窪地「立山カルデラ」。知る人ぞ知る富山の名所です。

美しい立山の印象とはまた一風違う、荒々しくも勇ましい場所へ、足を踏み入れてみませんか?

立山カルデラとは

「カルデラ」とはスペイン語やポルトガル語のカルディーラに由来します。
カルディーラとは鉄製の深く大きな鍋のこと。
立山カルデラは東西に約6.5km、南北に約4.5kmで標高差は500〜1700mとまさに巨大な鍋なのです。

立山カルデラは、火山体の一部が侵食されて削られる「侵食カルデラ」という種類で、日本でも特に珍しいカルデラの一つです。

そして、大雨の度に山肌が崩れるため、100年以上も砂防工事が続いています。
土砂や砂をせき止める堰堤、資材や人を運ぶ工事用のトロッコなど、ロマンある建造物を見ながら歴史を学べるのが「立山カルデラ砂防体験学習会」です。

関係者以外は立ち入り禁止とされている立山カルデラ周辺。

その中には、国の重要文化財やユネスコの諮問機関による「日本の20世紀遺産20選」に指定された建造物が数多くあり、さらには手つかずの大自然も広がります。

立山カルデラ砂防体験ツアーに参加して、20世紀の重厚な建造物と命豊かな自然をこの目で見に行きましょう。

 

 

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富山駅からスタート

ツアーの始まりは富山駅からバスで立山方面へ向かいます。

立山カルデラは自然あふれる場所です。
歩きやすい靴や肌の隠れる服装で行きましょう。

まず訪れるのは「立山カルデラ砂防博物館」。
立山の自然や歴史について「崩れる、流れる、防ぐ」のストーリー形式で学ぶことができます。

解説員の説明を聞きながら、一緒に事前学習をしましょう。

 

 

道中にも見逃せないスポットが多数

立山カルデラ中心部に入るためのゲートまでの道のりにも、「跡津川(あとつがわ)断層」などの天然記念物が。工事を進める中で発見された大地の爪痕を車窓から見学することができます。

途中の休憩で立ち寄る「有峰記念館」の側には、秘境と呼ばれた有峰村が沈む大きなダム湖が広がります。

四方を大自然に囲まれた神秘的な湖も撮影には外せないスポットですよ。

 

 

カルデラの内部を見渡す展望台

ここからいよいよ立山カルデラの中に入っていきます。

入口の「折立(おりたて)ゲート」からは安全のためにヘルメットを着用して準備万端。

最初に訪れる「六九谷(ろっきゅうだに)展望台」で、まずはカルデラの全体像を見てみましょう。

ここからは安政5(1858)年の飛越大地震で崩れた山肌の生々しい跡が今も見ることができます。
大鳶山(おおとんびやま)や小鳶山(ことんびやま)などで崩れた土砂がカルデラを埋めてできた多枝原平など、自然の猛威を間近で体感できますよ。

いくつもの谷が流入し侵食されやすい立山カルデラでは、土石流や侵食を防止する工事が今日も続いています。

鳶崩れ(とんびくずれ)は、1707年に静岡で起きた大谷崩れ、1911年に長野県で起きた稗田山崩れとともに、”日本三大崩れ”のひとつとされています。

 

 

立山温泉の名残を探す

次に訪れたのは、山深い場所にあった立山温泉の跡。

天正8(1580)年に発見されてから、胃腸病に効くと話題を呼び、奥地にも関わらず多くの客で賑わっていました。

昭和44(1696)年の大雨で登山道が流されて以来は閉鎖していますが、浴場の跡が残っています。

立山温泉跡のさらに奥を進むと、吊り橋「天涯の橋」があります。

天涯とは空の果てを意味しており、標高の高い立山カルデラの内部には天涯と名付けられた場所がいくつかあります。

この「天涯の橋」は河原からの高さが10m以上。ちょっとしたスリルも楽しめますよ。

遊歩道を抜けると、ひっそりとたたずむ「泥鰌池(どじょういけ)」が目の前に広がります。

飛越大地震によって崩れた土砂が川をせき止めてできた池のひとつです。
昔はフナやニジマスを放流したり、池に小舟を浮かべて舟遊びをしたりする憩いの場となっていました。

立山温泉閉鎖後も、放流された魚は自然繁殖し、餌を求めて動物が集まる命みなぎるエネルギーの源となっています。

 

 

高さは108m!圧巻の砂防堰堤

続いては、ツアーのメインの一つでもある「白岩砂防堰堤(しらいわさぼうえんてい)」。
主堰堤は高さ63m、長さ76mで副堰堤も合わせて全体で108mと日本一の高さを誇ります。

このツアーでは主堰堤を管理する橋の上から、水の流れを見渡すことができます。
ここは、立山カルデラ内に溜まっている土砂が流れ出ることのないように抑える要の堰堤。

昭和期の砂防堰堤としては初めて登録有形文化財に認定され、平成21(2009)年には国の重要文化財にも指定されました。

 

 

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働く人たちを癒す天涯の湯

砂防工事に務める方たちのために作られた露天風呂「天涯の湯」。
お湯は800m離れた場所で湧き出ている温泉をホースで引き入れています。

入浴は工事関係者の特権でしたが、ツアー参加者にも体験してほしいと平成12(2000)年に足湯が開設されました。

ほぼ源泉と同じ温度なので、足を入れるのは少し難度が高いです。
手だけでもお湯につけて、源泉の温度や成分を体感してみてくださいね。

 

 

横一線に広がる大瀑布が美しい堰堤

「折立(おりたて)ゲート」も超えてツアーもいよいよ終盤です。

最後に訪れたのは富山市と立山町の境目にある、日本最大級の貯砂量の「本宮砂防堰堤(ほんぐうさぼうえんてい)」。

暴れ川と呼ばれた常願寺川の脅威から一日でも早く逃れるべく、国の許可を待たずに県が建設を始めたという当時の熱意が伝わる堰堤です。

平成29(2017)年には国の重要文化財に指定され、現在は河川での自然体験を通して常願寺川や砂防について学ぶ広場「水辺の楽校(がっこう)」も整備されています。

 

 

立山カルデラの歴史とロマンを知るツアー

大自然の中にある立山カルデラを五感で楽しめるこのツアー。

富山駅までバスで戻り、解散となります。

限られた人しか入ることのできない場所で、歴史の造られた足跡をたどり、ありし日の面影を感じることができます。

自然のもたらす恵みと脅威を、一緒に学んでみませんか?

 

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立山カルデラ砂防博物館