錫とお酒のおいしい関係能作と若鶴酒造。老舗企業の職人技に触れる旅

鋳物のまち高岡市の「能作」本社工場では、鋳物製作を体験することができます。

お酒の味をまろやかにするという金属、錫(すず)のぐい呑みを作り、おとなり砺波市の「若鶴酒造」で、施設見学やお酒の試飲を楽しんでみませんか?

老舗企業の職人技に触れ、大人の好奇心が刺激されますよ!

能作本社工場へ

高岡市は鋳物生産において国内トップシェアを誇る鋳物のまち。

その高岡市を代表する鋳物メーカーである「能作」は、デザイン性の高いオリジナルの錫(すず)製品が世界でも高く評価されています。

錫の「曲がる器」をご存知の方もいらっしゃるのでは?

北陸新幹線 新高岡駅から車で15分ほどの、高岡オフィスパークにある能作本社工場へ。

2017年にオープンされた社屋の入り口には、さまざまな鋳物の型が、まるでアート作品のように展示されています。

鋳物製作を体験! ぐい呑みを作ります

能作には、鋳物製作体験ができるラボがあります。

職人と同じ技法を用い、鋳物製作の流れを体験しながら錫のぐい呑みを作ります。

砂で鋳型を作る

体験するのは生型(なまがた)鋳造法という、砂で作った鋳型に金属を流し込む製造方法です。

木枠にぐい呑みの型や、錫を注ぐ道となるパーツを置き、その周りにきめ細かな砂をかけて押し固めます。

砂が崩れないように力を込めて! 腕まくりをして作業します。

 

いくつかの工程を経て、鋳型が完成! この木枠を合わせて、空洞になった部分に錫を流し込みます。

錫を流し込む、鋳込み作業

錫は金属の中でも融点が低く、231度で液状になります。

溶かした錫を板の上に流すと、数秒で固まりました。

れゆえに、鋳型に錫を流し込む鋳込み作業は1回で決めないといけません。

スタッフが錫をさっと鋳型に流し込み、しばらく待ちます。

砂の中からぐい呑みを“発掘”

木枠から中身を全部出して、砂の中からぐい呑みを“発掘”します。

スタッフによると、鋳造はその日の気温なども影響するデリケートな作業で、失敗することもあるそうです。

砂は体験用に調合してあるものですが「体験する工程は職人と一緒。難しいからこそおもしろいですよ」

ぐい呑みが完成!

仕上げにバリを落としてぐい呑みが完成。きれいにできました!

その場で完成して、持ち帰ることができるのがうれしいポイントです。

錫のうつわで 地元食材のランチ

力作業もあったせいか、お腹が空いてきました・・・。ということで、社屋に併設のカフェへ。

富山県の地元食材が味わえるランチや飲み物などを、能作の錫のうつわでいただくことができます。

 

能作の鋳物製作体験について

中学生以上が対象の90分コースは、ぐい呑み以外にも、小鉢、トレー、小皿、箸置きなどが作れます。

お子さま用に簡単な体験コースも用意されています。

職人の作業現場を見ることができる工場見学も大人気です。

能作(鋳物製作体験・工場見学)

※2021年2月現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、鋳物製作体験の新規予約と、工場見学は休止中です。

ぐい呑みを持って、北陸を代表する酒蔵「若鶴酒造」へ

できたてほやほやのマイぐい呑みを持って、能作から車で約10分ほどのところにある、砺波市の「若鶴酒造」へ。

ここでは無料で施設見学と試飲ができます。

江戸時代末期に越中の豪農がはじめた酒造りにルーツがあるという歴史ある若鶴酒造は、北陸唯一のウイスキー蒸留所も保有しています。

リノベーションされた大正時代の酒蔵

大正11年に建てられた酒蔵をリノベーションした「大正蔵」には、古い貯蔵タンクや、酒造りの解説などが展示されています。

北陸で唯一のウイスキー蒸留所

若鶴酒造が「サンシャインウイスキー」を発売したのは1953年。

北陸で唯一のウイスキー蒸留所「三郎丸蒸留所」内の貯蔵庫には、ウイスキーを熟成させるための樽が整然と並んでいます。

中には、富山県産のミズナラの樽も。

 

高岡銅器の梵鐘の技術を用いた、世界初の鋳造による蒸留機(ポットスチル)も見どころのひとつ。

銅と錫を含む合金でできています。ここでも錫が登場!

ウイスキーの製造は、日本酒の仕込み終わった5月下旬から夏にかけて行われます。

その期間はタイミングがよければ、ウイスキーの製造作業を目にすることもできます。

飲み比べが楽しい、お酒の試飲

若鶴酒造の酒造りについて触れた後は、お待ちかねの試飲です。

日本酒の「若鶴」「玄」「苗加屋(のうかや)」をはじめ、「サンシャインウイスキー」などがずらりと並んでいます(一部のお酒の試飲は有料です)。

 

特に女性に人気という、ウイスキーに氷見産の梅を漬け込んだ「UMESKY(ウメスキー)」を、能作で作った錫のぐい呑みで試飲してみました。

お酒をまろやかにする錫の効果のせいか、特別おいしく感じます!

気に入ったお酒をおみやげに

試飲して気に入ったお酒を買いに、敷地内にあるショップ「令和蔵」に立ち寄ります。

お酒の飲み比べや、おつまみ、酒粕を食べて育った乳牛のソフトクリーム、仕込み水で入れたコーヒーなどのメニューもあります。

施設見学は予約制ですが、こちらの令和蔵は予約不要で利用することができます。

若鶴酒造の施設見学について

若鶴酒造の施設見学と試飲(一部有料)は、電話予約制です。木曜・年末年始はお休み。2日前までにお申し込みが必要です。

若鶴酒造(施設見学)

※お車・バイク等を運転の方、未成年の方は試飲はできません。

電車でお越しの場合は、北陸新幹線 新高岡駅よりJR城端線にて油田(あぶらでん)駅下車、徒歩1分です。

【動画】能作・若鶴酒造

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